【市場調査】ブランドイメージが関心喚起に及ぼす影響は7割
Jan/11/2025
ブランディングには認知の問題がありますが、この認知とはただ情報として知られることではなく、関心を持って知られることが前提です。そのため、多くのビジネスにおいて大切な認知の問題を深掘るために関心を起こす「きっかけ」の影響度を探るリサーチを実施しました。
人は、あれが「欲しい」、これが「気になる」、という対象に興味を抱く以前には、その興味を喚起された「きっかけ」が存在しています。この「きっかけ」において、3人に2人は商品・サービスの「第一印象」から影響を認めているが明らかになりました。この「第一印象」とは、商品・サービスのブランドイメージのことです。
1. 調査内容
調査は、東京・京都・大阪の都市部で働く20歳〜59歳の1209人の男女に実施しました。
回答にバイアスが入らないように、以下の2つを前提条件にしています。
・すでに回答者が興味があるジャンルにおける、未認知の商品・サービスであったもの
・それが具体的に思い出せること
その上で、以下8点の項目を6段階で評価してもらいました。
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1. 他人の感想や評価
2. 店舗スタッフとのやりとり
3. 商品・サービスのコンセプトや物語
4. 商品・サービスの印象
5. 商品・サービスのデザイン
6. 内容や品質
7. 企業への信頼感
8. 企業の社会的な取り組み
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2. 結果と分析
この中でポイントとなるブランドイメージは、4の「商品・サービスの印象」です。5の「商品・サービスのデザイン」も視覚情報でもあるのでこれも併せて考えていきます。
そこで、早速結論としては、60%の顧客は商品・サービスの「印象」から何らかの影響を受けていることが判明しました。また、「どちらでもない」とした回答者の一定数は潜在的に影響を受けている可能性も考えられるはずです。それを含めると影響度としては70%前後は見込めると捉えることもできます。つまり3人に2人は商品・サービスの認知において、ブランドイメージからの影響を認めているということです。
設問の中で最も影響が高かったものは「商品・サービスの内容や品質」 で65.3%が関心度を高める何らかの影響を認めていました。ついで、商品・サービスの「印象」と「デザイン」は近しい動きになったのは同じ視覚情報だから言うまでもありません。
商品・サービスへの関心を喚起させることにおいて、企業の社会的な取り組み姿勢や、商品・サービスのコンセプトやストーリーの影響はより限定的でした。これは関心を喚起させる行為が、コンセプトなどを理解する思考を使った情報処理ではなく、情緒や直感を介した情報処理に傾いているからだとも考えられます。つまり関心とは、「考えてから」ではなく「感じてから」始まる傾向があるとも考えられます。
ただ、より関心度を高めるには、見る行為だけでなく、考えて、競合と比較したり、他人の口コミを見たりなどが有効なのはいうまでもないのですが、あくまで初動のトリガーとしては「ビジュアル」の強さ、インパクトが勝つといったところでしょうか。
また興味深い点としては、このビジュアルやインパクトのような印象はいわゆる「他人評価、口コミ」に勝る傾向があるという点です。これは憶測にはなりますが、利用してみないと判断がつかないもの、例えば服や食べ物など個人の趣向が分かれるもの、単価の低いものは影響は低く、一方で何かの体験サービスや機械、高単価商品などはまた違う結果にもなる可能性はあります。
最後に8つの主軸をレーダーチャートにして強さの比較を出したのですが、最も高い「商品・サービスの内容や品質」というのも、実際は視覚情報は伴うケースがほとんどでしょう。つまり、4の「商品・サービスの印象」と、5の「商品・サービスのデザイン」は、この「内容や品質」に含まれている判断されているとも見れるはずです。
その意味においても、やはりブランドの認知には、「印象」の重要度が明確に出た内容となりました。