ブランディングデザインで顧客エンゲージメントを上げる

Feb/16/2024

顧客エンゲージメントを上げるブランディングに重要な6つのクオリティーをお伝えします。これは10年以上に携わってきた様々なブランディングプロジェクトにおいてPOROROCAが独自に導き出したブランドビジュアルを成功に導く法則性です。ブランドはいわば、りんごをつくるだけではいけません。鳥に来てもらい、仲間を呼んできてもらうようなブランド木を育てあげなければいけない。そのためにはデザインのクオリティーは無視できません。そしてデザインクオリティーにはトレンドに左右されません。ブランディングが必要な限り、時間を得て廃れるものでもありません。

 1. 
顧客エンゲージメントを上げる
ブランディングデザイン

ブランディングとは何か?

たとえばビジネスにおいて、ビジュアル要素がないプロダクトやサービスはありますか? 無形のサービスである、音声サービス、ソフトウェア、教育、コンサルといったものでさえも、ブランディングやマーケティングにはビジュアル要素を必要とします。つまり、顧客に信頼され、購買されるものはすべてビジュアル要素を帯びています。 このビジュアルを、ブランディングデザインと言います。つまりあらゆる媒体チャンネルで企業から配信される情報の多くは広義の意味でブランディングデザインです。ブランディングデザインがブランドに対する影響は計り知れません。このことを重要視されていない要因は、前回記事で説明しました。
デザインへのバイアスをとり、あらためてブランド価値の向上のために、ビジネスモデルの検討と並行しながら、企業はブランドの視覚情報の創設や刷新をすることは重要です。ではなぜ、ブランドのビジュアルがそこまで重要なのか。それは、ブランディングデザインを受け取る側の「体験」に影響するからです。
わたしたちの購買体験は、「信頼」からはじまります。顧客から信頼を得るためには、そのブランドにふさわしい他社より差別化された独自性のあるビジュアルと、記憶に落としこみやすいビジュアル情報が欠かせません。その情報とは、さまざまな媒体に広がるビジュアルアイデンティティの画一性や、顧客が情報に触れる頻度、配信メディアを含めたアクセスポイントに大きく影響されます。
記憶されること、その強いブランドイメージとプロダクト・サービスを繋げて、顧客に価値を感じさせることが、クオリティーの高いブランディングデザインには可能です。このクオリティーには、主にビジュアルの視認性や、情報の画一性、顧客が情報の触れる頻度、そしてビジュアル内容が関係してきます。
こうした高いクオリティーのブランディングデザインの視覚情報は、顧客エンゲージメントを上げる力をもっています。

顧客エンゲージメントを上げる
=ブランディングデザインを上げる

また、逆もしかりで顧客エンゲージメントが高まれば、ブランドはより顧客体験の向上に時間と予算を確保しやすくなり、より良質なデザインを作り上げられる体制を築きやすくなるシナジー効果を生みます。

 2. 
顧客エンゲージメント向上に直結する、
6つのデザインクオリティー

ブランディングデザインクオリティー®️とは?

ここからは、高いビジュアルクオリティーには何があるのかを深掘りしていきます。
これには、POROROCAが提唱しているブランディングデザインクオリティー®️があります。これには6つのクオリティーが存在していますが、ここではそれぞれのクオリティーの特徴を紹介していき、フレームワークの使い方や見方を次回に詳しく紹介していきます。
なおご興味のある方は、当社サイトにて6つのデザインクオリティーの詳細説明をしています。合わせてご参照ください。→ ブランディングデザインクオリティー®️

6つのデザインクオリティーの役割は?

[独自性]
ブランド本質や競合優位性の表現する。
[画一性]
強力なブランドイメージを生成し、記憶させる。
[展開性]
多様な媒体への展開において、視認性をあげる。
[差別性]
他のブランドとの違いを生む。
[継続性]
コンセプトを継承して、信頼を築く。
[連想性]
顧客の感情を喚起する。

オリジナルで、かつシンプルであり、わかりやすいブランドイメージは記憶に強く留める力があります。ただ場合によっては、オリジナルなものは理解されにくく、シンプルなものは融通が効かなく、わかりやすいものはありきたりの印象があるといったパラドックスを同時に抱えることになります。
そこで、ブランドマネジメント層やデザイナーは、顧客視点をいれ多角的視点でブランドメッセージの問題を捉えて、こうしたパラドックスを乗り越えながら以下に紹介する6つのクオリティーを高めることが必要です。

 3. 
[独自性]ブランド本質や競合優位性の表現する

優れた競合優位性も伝わらないと意味がない

ビジネスモデルだけで独自性を追うことだけでは、強いブランドはつくれません。わたしたちがブランドを体験する多くのものはビジュアルを介します。このブランドビジュアルで、ブランドや企業がもつ事業や、商品・サービスの特徴を直接的に説明する要素、あるいは関節的に世界感だけを伝える要素において、オリジナリティや市場における何がしかの新規性は、ニーズ喚起において重要です。
オリジナリティとは常に市場での相対的価値で決まるため、他社と比較する中でどこまで自社ブランドの特徴を押し出せるかはこの独自性にかかっています。
そしてビジュアル面でのブランドの独自性の中心となるものは、シンボルロゴです。たとえば、スターバックスコーヒーのサイレンの人魚マーク(シンボル)には、魅力的で抗いがたい体験を提供するという意味合いがあり、顧客を店舗に引き寄せて魅了するブランドの力を象徴しています。
このブランドの象徴としてのシンボルロゴにおいて、特徴やブランドを感じさせる本質や何かの理念を どこまで込められるかは、ブランドマネジメント層やデザイナーの最大の挑戦になると思います。

  • [見込める効果]

  • 自社ブランドの価値の強化
  • 感情的なつながりの創出
  • 記憶の定着
  • ブランディングデザインによる競争力の向上
  • コミュニケーションの効果最大化

 4. 
[画一性]強力なブランドイメージを生成し、記憶させる

不統一なメッセージは覚えられない

私たちは無意識にその人や会社やプロダクトに対して「印象」を抱いています。
いつもモノトーンしか着てこない同僚が、ある日突然全身赤の服で出社したら違和感を覚えます。またスタバで再度例を挙げるとしたら、人魚のシンボルマークやスタッフのユニフォームが黄色になったら違和感を覚えます。
わたしたちは日々接点のあるブランド体験を通じて、そのブランドが持つ無言のメッセージを受け取り、主観的な印象を持つわけですが、このメッセージには画一性がないと受け手に混乱を招き、本来ブランドが伝えたいメッセージは伝わりにくくなるわけです。
このメッセージは視覚的情報だけでなく、聴覚的に訴える言語的なメッセージ、ブランドステートメント、企業の理念やビジョン、パーポスにも共通して言えます。バーバルの情報とビジュアルの情報との連動を図ることで、ブランドメッセージに画一性を持たせることが可能です。つまり、言うことと見せるものの乖離を無くすことが、記憶しやすい情報となり、顧客エンゲージメント向上に貢献します。
こうしたブランドメッセージとブランドビジュアルの連動がはかれていないブランドや企業が、市場にも多く散見されます。強いブランドを生むには、こうした画一性への取り組みは業態問わず必須です。

  • [見込める効果]

  • ブランド認識の強化
  • 信頼と安定性の確立
  • 混乱の最小化
  • 社内のアライメント強化
  • 顧客との関係構築

 5. 
[展開性]多様な媒体への展開において、視認性をあげる

見えにくい情報は伝わらない

多くの情報は、小さければ読みにくく、大きければ読みやすい傾向があります。
ブランディングデザインの展開性とは、シンボルマークやロゴを中心としたブランドビジュアル情報が、多様なチャンネル媒体上での「伝わり方のブレ」を図る指標です。展開性が目指すポイントは、展開先の媒体に関わらず読みとりやすい情報にすることです。
これには、シンボルマークやロゴを形状や配色を展開先を想定した造形配色パターンをつくることが大切です。媒体が想定ができない場合は、展開先の形状問わずに視認性を確保できるシンボルとロゴの組み合わせの展開ヴァリエーションを作っておくことで対応します。

  • [見込める効果]

  • 多様なメディアでのブランド認知の維持
  • 効率的なブランドコミュニケーション
  • ブランドイメージの一貫性の確保と混乱の防止
  • コスト効率の向上
  • 時代の変化への迅速な対応
  • 社内のアライメント強化

 6. 
[差別性]他のブランドとの違いを生む

類似イメージは違いが伝わりにくい

差別性は独自性とも関わってくるものですが、いずれも他の情報から目立たせる機能です。
独自性はブランドの本質や競合優位性に焦点を当てるものにたいして、差別性は同じ競合優位性をもつ他社の存在からいかに差別化を図るかの要素です。競合他社とのビジュアル面での差別化は、顧客に記憶されやすくなるため重要です。これは、ブランドの印象の混同を回避して情報伝達効率を高めるためです。
事例として、配色であればスタバはドトールの黄色をつかわずに緑にする。みずほ銀行は三菱UFJの赤や三井住友の緑にせずに青にして他社との混同をさけます。造形においても、たとえば緑茶という商品ブランドには赤や青は思い当たらないと思います。自然と緑や黄緑系になってくる中で、伊藤園の「お〜いお茶」やサントリーの「伊右衛門」などは同色の色展開の中でそれぞれのビジュアルの差別化をパッケージやロゴの造形から取り組んでいます。大手企業ではgoogleやMicrosoftのブランドカラーは近似した印象を持ちますが、そもそものロゴやシンボルの造形が異なります。

  • [見込める効果]

  • 競合からの明確な区別
  • 瞬時のブランド認識と強い印象のイメージ形成
  • 競合環境の変化への対応
  • 価格戦略との連携

 7. 
[継続性]コンセプトを継承して、信頼を築く

変わりすぎるビジュアルは同一視できない

ブランドのビジュアルは時代やトレンドとともに、アップデートをしていかなければ時代錯誤になります。企業は、ブランドシンボルのアップデートを通じて、時代の変化、技術の進歩、消費者の期待の変化に対応し、ブランドの現代性と関連性を保とうとします。ブランドアイデンティティの進化は、企業が成長し続け、市場での競争力を維持する上で重要な戦略です。
ブランドアイデンティティの刷新で代表的なグローバル企業の事例には、マイクロソフト、コカ・コーラ、メルセデス・ベンツ、ペプシ、アップルなどは頻繁に刷新してきていますし、国内企業であれば、パナソニック、ユニクロ、資生堂、YAMAHAなどが上げ出したらキリがありません。 このビジュアル面でのアップデートにおいては、ブランドビジュアルの核となるコンセプトを継承していけるかが鍵です。大々的なビジュアルの変更は時に既存ブランドとの同一視ができない場合、顧客側の認知に問題が起きます。
ビジュアルの改革はブランドイメージを企業の現在のあり方を伝え、顧客に変化をしている姿勢を示すことができる極めて有効な手段です。ビジュアル改革はより大きな認知やイメージUP、顧客体験向上へとつなげるチャンスになりえます。

  • [見込める効果]

  • 認知の強化
  • ブランドイメージの安定性や信頼性
  • 新旧のデザインバランスの維持
  • ブランディングの経済的効果
  • 独自のコンセプトの維持

 8. 
[連想性]顧客の感情を喚起する

連想できないビジュアルは覚えにくい

イメージを見た時にそれが何を表現しているかが伝わる方が記憶に留めやすいのは言うまでもありません。この点においてブランドアイデンティティのモチーフは、直接的でも、間接的でもブランドの本質やメッセージを視覚的に表現したものでないといけません。そのビジュアルがまとうメッセージやコンセプトが伝わる時、ブランド体験における顧客の感情を喚起させます。感情を喚起されるとそれは体験となって記憶に留めやすくなります。
この連想性は独自性とも合わせて考える必要があり、ビジュアルは特徴が個性的に振れるほど連想しにくくなりますが、一方で連想できるものは一般的に共通認識のあるものですので、ブランドの強みの独自性が出しにくくなるというパラドックスを抱えるため、両方の基軸からバランスをとる必要があります。この点においては特にブランドアイデンティティをつくるデザイナーの経験・力量が問われます。

  • [見込める効果]

  • 感情的なつながりの構築
  • ブランドのストーリーの伝達
  • 差別化の強化
  • 購入意欲の促進
  • 記憶の定着
  • 文化的・地域的な共鳴の創出

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